したたか舌打ち、ジメジメいじめ

ご主人はなんとなく気付いていたんだと思う。

“イジメなんてバカみたい、私はしない”と、

“私は関わらないように気をつけているし”と思うことは、

――逃げなんだということを。


【クラスの一員の癖に、自分は皆と違って大人なんだと皆と関わらずに、自分を守る】

それが今の【狡いポジション】なんだってことを。


――だって、どこかで思ってる。

へらへらしてご機嫌取る為に冗談並べていれば、【“愛されキャラ”で安全】だと分かっていたんだ。



せっかく高校生活最後の貴重な三年生になったのに、凄くつまらないクラスメート、つまらない仲良しグループ。


ご主人はご主人なりに、少し自分が嫌いになっているようだった。


……あら、珍しい。

こんな風に自叙伝もどきを書くくらいな人だから、“アタシダイスキ自己愛”な娘さんだと思っていたよ。

アタシ語りしちゃう痛い女は自分ダイスキが多いから、てっきりそのタイプなんだと。

まあ確かに?
八割方見栄えが良くなる巻き髪がイマイチ似合ってない感じ哀れだし、俺がご主人なら自分を好きにはなれないかな。

……なんて侮辱罪に問われそうだから口を慎むよ。


とにかく、なんか最近様子が変だ。

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