もう一つの甲子園
理由も無く人恋しくなる夜。

タカは眠れずにいた。

その頃雅人は、嬉しくてサンパチをまだ走らせていた。

パーーーン、パランパラン、パーーーン

「早く、サンパチに慣れてコーナーでタカに置いてかれないようにしないとな」

「せっかくのサンパチが泣いちゃうもんな」

峠を下って帰ろうとしていた、その時サンパチのバックミラーに車のライトが光った。

その光はみるみる近ずいてきた。

「四輪か、コーナーはタコでも直線だけは負けねーぞ!」

雅人は「カチャッ」とシフトダウンしてコーナーに入った。

パンーーーパパパンーーー

「コーナー立ち上がりで勝負だ!」

行くぞサンパチ!雅人はスロットを開けた!

パアァーーーン!サンパチの針はレッドーゾーンへ飛び込んだ!

コーナーを立ち上がると光はミラーから消えた。

勝ったと思った。次の瞬間!


< 15 / 43 >

この作品をシェア

pagetop