もう一つの甲子園
車の光は後方へ行って消えたのではなかった。

雅人の右横に並んでいた。

「加速でサンパチが負けるわけねー」雅人は思わず叫んだ!

横に並んだ車はサンパチを抜いて左車線に入った。

車体の色が見えた。赤

「車種はなんだ?」雅人は、離されまいとチェンジしてスロットルを全開にした。

外灯に照らされてシルエットが浮かんだ。

「フェアレディ!Z!」(ニッサン自動車の2000ccロングノーズ
の名車)

「240か?」

「43?」

「432!」

「432」のエンブレムがかすかに見えた。

「432?ってなんだ」

「それにしてもただのフェアレディの加速じゃねー」

みるみるフェアレディ432は見えなくなった。

雅人は直線の終わりの前で負けを認めてスロットルを緩めた。


その頃洋二は・・・

素振りをした後、いびきをかいて寝ていた。ガァ~ゴ~、ムニャムニャ~ モウタベレマセン~
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