もう一つの甲子園
30分位してモンスターZ2に乗った沢田は帰って来た。

タコおやじはすぐに駆けて行って何やらキャブのセッティングについて聞いていた。

「どうだ、沢田」

「スロットルを半分位明けたところでもたつきがでますね」

「そうか、この峠は標高が高いから酸素濃度が薄いんだな、ニードルを一段下げて燃料を薄くしてみるか」

タコおやじは20分ほどでセッティングをし直し、そして沢田は再び発進した。

「おっさん!」再びタカは聞いてみたい事を思いついた。

「なんだ?」

「沢田さん、乗れてるのか?」

「ああ、やつのライディングセンスはピカイチだ。しかし・・・」

「しかしなんだよ?途中でやめるなよ」

「そこまでなんだよ、或る程度完成されてるいるからな」

「何言ってんのかよくわからね~よ」

「タカのオツムにはまだまだ詰め込む余裕はあるが、沢田は今以上伸びる余地が少ないって事だ!」


「なんだよ、俺の頭が悪いのと沢田さんとどう関係あるんだよ!このタコ!」

「雅人、タカに分かり易く教えてやれや!」

「おやじさん、タカの場合は頭で覚えるより体で覚えさした方が早いっすよ」

「そうだな、頭使うって~のはこうやるんだ!」

タコおやじはタカに頭突きを始めた!ゴンゴンゴン!

「イテ~よ、おっさん!」

タカはタコおやじの後ろに回り、頭突きって~のはこうだっ!タコおやじの後頭部にゴォンと一発お返しした。

タコおやじは頭を抱えてしゃがみこんだ。

「てめー、タカ!ぶっ殺してやるから来い!」タコおやじは真っ赤になって怒りハンマーを持ってタカを追いかけ回した。

「おっさん!俺が悪かった!もう二度としないから!」

そうやって遊んでる所へ、シルバーのスカイライン(箱スカ)GTR(ニッサンの名車)が横ずけして来た。













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