もう一つの甲子園
俺は指差したZ2を見ながら、あれって沢田さんの愛車じゃないっすかと言った。次の瞬間、ゴン!と思いもしないゲンコツをお見舞いされた。

いて~っすよ、と頭をさすりながら、ふくれっツラしていると。

あのなあ、親父さんのモンスターの元バイクがZ2だって言ってんだよ。

お前ぇの頭、気がきかね~な~。とあきれ顔で沢田さんはポケットから取り出したショートホープに火をつけ、壁にもたれながらふっ~と一息ついて、ほらっ隆もどうよとショートホープを差し出した。

いや、いいっすよ。俺セブンスター派ですからと言って自分のポケットからタバコを出して指に挟んで口へ持っていこうとしたところ。

いつの間にか来ていたタコ親父が、耳元でなんだなんだ~モンッスターがどうしたって~、未成年者がタバコを吸っていいのか~?とタバコを取り上げ。

火っ!タカ!ほれ火っ、火を着けろとアゴで合図してるので、おっさん!タバコの火くらい自分で付けろよ~。

そう言って俺は、ライターの火が最大になるようダイヤルを調整して渡した。

その事を知らないタコ親父は不機嫌そうにライターに火を着けた。カチッ!ボォー

次の瞬間ユデダコがタコ焼きになった。

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