もう、お前しか愛せない
私は少し不安を残し、隆平くんの元へ行った。

隆平くんに連れられてやってきたのは、人気のない教室。



「誰かに聞かれるとまずいからさ」

「―?」

「あのさ、卓志のことだけど…」


私は息を呑んだ。





「渡瀬が絢を襲おうとして、俺が止めただろ?」

「うん」

「止めて欲しいって俺に言ったの…卓志なんだ」

「―え?」



卓…ちゃん?何で卓ちゃんが?

自分で行こうと思わなかったの?



「自分で行けって言ったんだけど、俺が行くともっとひどくなるって言って聞かなかった」


ウソ…卓ちゃんが指示をして隆平くんに?

じゃあ、本当の王子サマは…卓ちゃん…

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