もう、お前しか愛せない
「春の束縛に耐えられなくて…たまたま病院にいた同い年ぐらいの、大宮くんに相談にのってもらったの」

「じゃあ…」

「うん。大宮くんはただ、自分が身代わりになってウソを突き通してくれただけ…」



―全部…全部全部。

梢さんのウソだってってこと?

そんなのヒドイ…ひどすぎるよ!!



「ごめんなさいっ!こんな大事になると思わなくて…」

「梢…、一個聞きたいことがある」

「?」

「お前は俺と付き合ってたとき…俺のこと好きじゃなかったんだな?」

「……始めは好きだったけど…」


すると、渡瀬くんはその場に座り込んだ。

その目からは、一筋の涙が零れていた...



「俺っ…ック、何でこんなこと…」

「…渡瀬くん...」


すると、卓ちゃんはいきなり立ち上がって、渡瀬くんの胸倉を思いっきり掴んだ。

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