もう、お前しか愛せない
卓ちゃんはそれっきり黙ってしまった。

私は悲しくなってきて、泣いてしまった。



「絢?」

「卓ちゃ…ック、私、卓ちゃんと別れたくないよぉ…」

「絢…」

「大好きで大好きで…好きって言葉だけじゃ、足りないの」



卓ちゃんは私の頭を撫でていた手を、私の背中に回した。

そして、力強く抱きしめた。




「卓ちゃん…?」

「俺だってそうだよ」

「え?」

「俺だって絢と別れたくない、絢が大好きなんだよ」



…卓ちゃん…



いろんな人に好きって感情を抱いてきた、でも…

卓ちゃんへの好きは違うの。

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