もう、お前しか愛せない
卓ちゃんの勝ち誇ったような顔。

それが私が負けたってことを、よりいっそう感じさせる。



「…」



卓ちゃんが出て行ってしまい。

一人になった保健室。



……私も出るか。




保健室から出ると、愛莉がいた。


「愛莉…」

「絢っ!大丈夫だった?!」

「うん。心配かけてゴメンね?」




愛莉は私を抱きしめた。

卓ちゃんとは違う、大きな安心感―



「絢、さっきはゴメンね?叩いたりしちゃって…」

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