もう、お前しか愛せない
「あっ、卓志」

愛莉が声をあげた。

見ると、卓ちゃんの姿が―


少し疲れた表情をしている。


「愛莉と絢…」

「卓ちゃん…」


うーやっぱ気まずい。

ボーっとした表情だった卓ちゃんが、私達の横を通り過ぎようとした時。



「コレ絢の?」



私の上履きに気づいて声をかけた。

「うっ、うん...」

「お前…虐められてんの?」

「違うよ…多分」

「でも、コレッ…ッ!!」


卓ちゃんはそのまま教室へと向かってしまった。

やっぱり、助けてくれないの?

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