聖夜の恋人
サムライ?ウルトラマリン?…のような私の大好きなさわやかクールな香りだったので興奮した。
麻紀の一押しっていうのがなんとなくわかったかも。
彼は今日もエレベーターに乗ったあともこちらに向かって笑顔を見せた。
なんだかすごくいい男に見えた。
「もしもし麻紀?今日行ってきたんだけどさ」
「どうだった?!」
「うん、実はね…」元彼女の話、ディナーに誘ってくれた話をした。
「マジ?なんかそれめんどくさい」
「分かる」
「そうだったのかー!なんかあると思ったら元カノね」
「意外にショック大きかった」
「そりゃ大きいでしょ。プロポーズまでした女のことだからね、忘れてないはずはないと思うし。でもあんた誘われたんでしょ?
だったらあんたにも可能性あるって事だし、純子のこと気に入ってるんだと思うよ」
「マジ?」
「うん、だってあいつさ、みんなにいい顔してるからよく言い寄られてるけど出かけたりしたって話は聞いたことないし、女関係だらしない感じはしないよ」
「一言多いってば。でも麻紀が言うなら間違いないわね、実際元カノがこっちにいるわけじゃないし」
「そうそう、最悪っつーか相当な偶然が起きない限り大丈夫だって」
「そうだよね。とりあえずそのことは考えないようにしとくわ」
「うん、やれるとこまでがんばんな!クリスマスまで時間ないんだからね」
「ありがとう。がんばるね」
「あっそうそう今日小池君来たよ。たぶん香水サムライだよ」
「おー純子ベスト3に入る香水じゃん」
「うん。ちょっと興奮した」
「あんた本当変態だよ。まー香りって大事だからね。特に男はさ」
「そうそう。かっこよくても臭かったら話になんないもんね」
「間違いないね。のっちってそんなかっこよくないけどいい匂いするから首回り嗅いでるだけで安心するんだよね」
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