聖夜の恋人
部長の隣じゃさりげなく見に行くことも出来ない。私は肩を落とした。

「あんたサザエさん症候群治ったの?」
「ちょっと声大きいって」昼休みカフェでサンドイッチを食べているときだった。
「あははっ。てか純子髪型ちょーいいじゃん。バッチリ若作りできてるよ」麻紀はグーサインをして嬉しそうにアイスコーヒーを飲んだ。
「ありがとう。そんなことよりさ、言ってないことあって」
「何々?」
「今日言おうと思ってたんだけど、実は土曜日さ…」直樹と会ったことを軽く話した。
「うそ!マジ?」
「うん、まぁさらっというとそんなとこ」
「すごいじゃん!小池君なんか言ってなかった?」
「なんかって?」
「あっ言ってないのね」
「何よ」
「うふふ。なんでもないよー」
「意味深なんだけど」
「まーいずれわかるでしょ。てか早くメール返しなよ」
「あっそうだ。忘れてた」
「あんたって本当男心わかってないんだから」そういってアイスコーヒーをおかわりした。
私は麻紀に言われて短くメールを返した。
『こんにちは。今昼休みです!いつも朝八時くらいには電車乗ってるよ』

昼休みが終わり、パソコンを開くと一件のメールが来ていた。
開くと中川さんだった。うれしくってニヤッとしてしまった。

『おはよう。今日一日よろしくね。そうそう、デイナーいつにしようか?』
メールを読んだ瞬間興奮した。
思わず席を立って中川さんの席を見た。笑顔で部長と話していた。
胸の高鳴りが大きくなり幸せな気持ちになった。
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