聖夜の恋人
「大丈夫?顔赤いよ」
「すいません、飲みすぎちゃいましたね。このワインおいしくって」
「喜んでもらえてよかった。大丈夫今日は送っていくから」
頭がぼんやりする。五杯も飲んでしまった。
「いいですって!大丈夫です」
「いやいや心配だから送らせてよ」
「すいません」
私はフラフラする足元に気をつけながら中川さんの腕を掴んでいた。彼は黙って私を支えてくれた。
中川さんの甘い香りを吸い込んでさらに頭がふわふわした。
体中が火照って気持ちよくなった。何もかもどうでもよくなるくらい気持ちいい気分だった。
腕に寄りかかりながらタクシーに乗ってしばらくすると、中川さんの携帯が鳴った。
うっすら目を明けてみた。着信画面に『愛子』という名前が映し出されていた。
目を疑った。
中川さんはしばらく画面を見つめそっとポケットに携帯をしまった。
大好きな人の腕に寄りかかっている夢の時間。一瞬で覚めてしまった。
「中川さん」思わず声が出た。
「ん?」
「あの…」
言いかけて我に返った。この話をして今日一日の幸せな気持ちを崩すのはもったいないと思った。
本当は今すぐ聞いて確かめたかった。しかし聞くのが怖かった。
「いえ、なんでもないです。あっうちこの辺なんで」
「そこ右にはいってください」タクシーの運転手にそういった。
「本当大丈夫?」
「はい!ありがとうございました」
「こちらこそ。楽しかったよ。おやすみ」
「おやすみなさい」
「すいません、飲みすぎちゃいましたね。このワインおいしくって」
「喜んでもらえてよかった。大丈夫今日は送っていくから」
頭がぼんやりする。五杯も飲んでしまった。
「いいですって!大丈夫です」
「いやいや心配だから送らせてよ」
「すいません」
私はフラフラする足元に気をつけながら中川さんの腕を掴んでいた。彼は黙って私を支えてくれた。
中川さんの甘い香りを吸い込んでさらに頭がふわふわした。
体中が火照って気持ちよくなった。何もかもどうでもよくなるくらい気持ちいい気分だった。
腕に寄りかかりながらタクシーに乗ってしばらくすると、中川さんの携帯が鳴った。
うっすら目を明けてみた。着信画面に『愛子』という名前が映し出されていた。
目を疑った。
中川さんはしばらく画面を見つめそっとポケットに携帯をしまった。
大好きな人の腕に寄りかかっている夢の時間。一瞬で覚めてしまった。
「中川さん」思わず声が出た。
「ん?」
「あの…」
言いかけて我に返った。この話をして今日一日の幸せな気持ちを崩すのはもったいないと思った。
本当は今すぐ聞いて確かめたかった。しかし聞くのが怖かった。
「いえ、なんでもないです。あっうちこの辺なんで」
「そこ右にはいってください」タクシーの運転手にそういった。
「本当大丈夫?」
「はい!ありがとうございました」
「こちらこそ。楽しかったよ。おやすみ」
「おやすみなさい」