聖夜の恋人
昼のドラマやワイドショーはクリスマスの話で持ちきりだった。ドラマを見ると悲しくなりそうだったので仕方なくワイドショーにした。
昨日買っておいたパンとスープとプリンを食べながら静かにテレビをみた。こんなとき犬でも飼ってれば淋しさが紛れてたかもしれないのに。犬も迷惑か。
昼のワイドショーとは不思議なものでただ見てるだけでものすごい勢いで時間が過ぎていく。

気付くと夕方の五時になろうとしていた。
麻紀にメールをしようとして携帯を開くとちょうど麻紀から電話が来た。
『もしもし純子大丈夫?』
『うん。あれ?私なんか言ったっけ?』
『昨日夜中にメールきてたけど』
『本当!?無意識だった。ごめん。文章おかしかったでしょ』昨日の夜中無意識にメールをしていたようだった。
『あはは。かなりドライなメールだったからびっくりしたくらい。こんなにうまく嫌な予感が当たっちゃうなんてね。でもさ、そういう男だったってことじゃない、もし純子が付き合えてたとしても忘れられてない女がいるって事は自分だけを見てくれてないってことなんだから』
『そうだよね。なんかもうクリスマスまでにとかそういうのやめるわ。バカみたいだよ』
『そんなことないよ、あんたにはまだいい男が現れてないだけ。ていうかクリスマスはまだ始まってないしね』
『え?』
『今日暇でしょ?うちでやるっていってたパーテイ純子も来なよ。中川さんのことがあったから誘ってなかっただけで本当は来て欲しかったのよ』
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