聖夜の恋人
「純子」
麻紀はピースをして「だから言ったでしょ」といった。
「麻紀…」私もピースをして「うん!」といった。

部屋に上がるとすでにパーティは始まっていた。
のっちは私たちを見るなり「おおー!直樹!お前やったな!!」といい嬉しそうに直樹を抱きしめた。
「純子ちゃん、こいつマジでいい奴だからさ。よろしくな」
「うん。のっちの後輩だもんね」
「わかってんねー!」のっちは直樹の肩を叩きながら笑い、私たちは顔を見合わせて笑った。みんなに祝福されてるようでうれしくなった。
パーティに来てたほかの人たちも直樹の先輩や友達ばかりで口々に直樹をからかった。直樹はすぐにビールを飲まされていた。
私もシャンパンをもらい麻紀と話した。
「直樹君のこと本当に気付いてなかったんだね」
「気付かないよー」
「私も隠しとくのかなり大変だったからなんか楽になったって感じだよ」麻紀はあははと笑っておめでとう。といってくれた。
「直樹君にまで見放されたとおもってたからさ。かなり衝撃的だった」
「直樹君はあんたのこと見放したりしないから大丈夫よ」

そんな話をしていると「はい!みんな聞いてください!」急に酔っぱらったのっちが麻紀の肩をぐいっと抱き寄せて話し始めた。
「実は俺ら結婚します!!」
「えっ!!」みんなが一斉に驚いた。私もシャンパンを吹き出しそうになった。
「結婚式は夏の予定!みんなよろしくなー!」
麻紀は恥ずかしそうに頭を下げた。すごく幸せそうな顔をしてて私もうれしくなった。
のっちが席に戻ると麻紀が「ごめんね、急に」と恥ずかしそうにいった。
「今日言われたんだよね。私もびっくり。そういうのもあって純子には今日来て欲しかったの。のっちって本当勝手なんだから」
麻紀はそう言いながらのっちのほうを見て微笑んだ。
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