聖夜の恋人
「おめでとう。私まで幸せな気持ちになるよ。本当よかったね」
「ありがとう」

こんなに幸せなイブになるとは思っても見なかった。神様ってちゃんと見てるんだろうな。なんて考えてしまうくらい素敵な夜。

「純子ちゃん。外出ようか」
「うん」
直樹に連れられて外に出た。冷たい風が火照った体を心地よく冷ましてくれた。
「のっち先輩すごいよな。やっぱり俺尊敬するよ」
「ねー。でも幸せそうで本当よかった」
「そうだね」
少し歩くと家々のイルミネーションがキラキラと輝いていた。
「きれいだね」
「うん」
二人はイルミネーションが輝く公園のベンチに座った。
「純子って呼んでいい?」
「もちろん。私もちゃんと直樹って呼ぶからね」
こんな高校生もみたいな会話が新鮮で照れくさくなった。
ベンチに座ってからもぎゅっと手を握って自分のポケットに入れてくれた。
「直樹といると安心する」
「そんなふうにいってもらえるなんて夢みたいだよ」
「大げさだよー…」
彼の腕が肩に回り唇が触れた。すごく温かかった。
「愛してるよ」
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