粉雪舞い散る桜の匂い
ーでも、
それもいいかもしれない。
このまま、流れにまかせて、
心地いいのなら…
突然、スッとココアのカップを取られて、
リツは、ハッとなった。
「リツさん、何か温かい食べ物を買ってきてくれる?」
ハイこれでね、と、青地のお札を一枚リツに渡しながら、サクヤが言った。
「え?あ、はい…」
サクヤの突然の申し出に驚きながらも、リツはその案に、賛成だった。
「何がいいですか?サクヤさん」
「まかせるよ」
サクヤは微笑む。
「ちゃんと目を開けて、耳をすませて、自分で決めておいで」