粉雪舞い散る桜の匂い
リツは二個目のチーズまんをほおばりながら、
「うそばっかり、私のコト何でもお見通しなんでしょ?」
ちょっとイジワルな言い方をした。
「気付いてるんでしょ?
私が先輩と今、別れてきたコトも」
さすがに、サクヤはくわえていた煙草を落としそうになる。
「…いや、それはまた、展開早いね」
「うん。自分でも決断の早さに、後からビックリしちゃった」
でも、と、リツは夜空の月を見上げ、
「あれこれ難しく考えてたのに、たった一つのコトで、簡単に答えは出たんだ」
思い出す。
差し出された、先輩の掌、
つなぐコトは出来なかった。