好きだと、言って。①~忘れえぬ人~
『ハルカが危篤だ』
浩二の震える声が、凶報を告げた。
頭の中が真っ白になった私は、すぐには反応できなかった。
そんなの信じられるわけがない。
だって、ハルカと電話で話をしたのは、つい一昨日のことなんだから。
その時のハルカから、変わった様子は全く感じられなかった。
いつもの、明るいハルカだった。
なのに。
こんなに急に、危篤だなんて、信じられるわけがない。
『あーちゃん』
私を呼ぶ、少し舌っ足らずでハイトーンの澄んだ声。
少女のような、可愛らしい笑顔。
――ハルカ。
ハルカが、死んでしまう?
この世界の、どこからも消えてしまう?
居なくなってしまう?