好きだと、言って。①~忘れえぬ人~
そもそも。
幼稚園からの腐れ縁だから浩二が従弟であることを差し引いても、二人のことは良く知っているんだけど。
いわゆる、『幼なじみ』ってやつ。
ちなみに。
二人とも、三度の飯よりもサッカーが大好きな『サッカー・バカ』だ。
「えっと、どっちの人? にやけた顔をしている垂れ目のツンツン頭は、佐々木浩二って私の従弟なの。
で、色黒の大きい方が、伊藤貴史くんだけど……」
「伊藤くん……、伊藤貴史くん」
彼女は、その名前を確かめるように呟いた。
ピンクの唇が、伊藤くんの名を呼ぶ。
私は、なぜかドキンと鼓動が大きく跳ねるのを感じた。