好きだと、言って。①~忘れえぬ人~
「射止めたって、私はハンターか何かですか?」
「まあ、ある意味、女はハンターよ。一生がかかっている狩りだもの、自分を磨いて獲物を誘い出すのよ」
フフフと、実に色っぽい赤い唇が、艶やかな笑みを形作る。
そりゃあ、『礼子さんだけ』を、女と定義するなら、その説もごもっともだと思うけど。
礼子さんはその言葉通り、自分を一分の隙もない『完璧な大人の女』に磨き上げるのに努力を惜しまない女性だ。
スラリとしているのに出るところはちゃんと出ている、ダイナマイト・ボディ。
緩やかなウェーブの掛かった、漆黒の長い髪。
その髪を、少し大振りの右耳に引っ掛けて。
黒髪に映える白い耳朶には、肌の白さを引き立たせるような、真っ赤なルビーのピアスが、怪しい光を放っている。
卵形の顔の上にあるのは、まるで美の女神様に愛でられたように、絶妙に配置された顔のパーツ。
弓形に整えられた眉。
くっきりかっきりなアーモンド型の目は、これでもかってくらいに密集している長いマツゲに縁取られている。
すうっと通った鼻筋の下には、完璧に美しい赤い唇――。