好きだと、言って。①~忘れえぬ人~のレビュー一覧
夏の思い出は、夏祭り。 大好きな人に、友人が告白をしたあの日。 友人に素直になれずに逃げたあの日。 笑顔で友人を送り出したあの日。 何年経っても思い出すのはあの日の苦く辛く切ない夏の日。 そんな思いを抱いたまま年を重ねた主人公。 好きな人も出来たし付き合ってきたし、そしてプロポーズだって。 だけどどこか心の中に残るあの夏の日が歩みを妨げる。 見えない思いは自分を殻に閉じ込めて、言えない思いは自分を偽って。 「頑張って」 その一言に込められる言葉に勇気を出して。 柔らかく切ない夏の思い出と、そして今と未来。 読後に爽やかな夏の終わりを感じる作品でした。 是非ご一読を。
幸せな結婚が目の前にある、迷いながらもそこへ身を落ち着かせようと決めた。 しかし、自分の気持ち嘘はつけなかった。 皆さんならどう思いますか? 主人公の亜弓の心の悩みが痛いほど伝わってきます。 亜弓とハルカ、共に同じ人を好きになった。 けど、ハルカの背中を押した亜弓・・・ しかし今度は、ハルカが亜弓の背中を・・・ ここに、女友情、絆を感じました。 素敵作品、ありがとうございました。
何年経っても忘れられない光景がある。 胸の奥底に仕舞い込んでおいても、ふとしたきっかけで鮮やかに蘇る。 そんな思い出の一つや二つ、大人なら誰もが持っていると思います。 ただそれが、嬉しいのか苦しいのか楽しいのか寂しいのか、はたまた切ないのか……。 思い出すものはひとそれぞれ。 主人公亜弓にもそんな思い出がある。 その思い出が抑えきれないほど広がったとき、亜弓の周りで運命の歯車はカラカラと回り始めます。 不器用だけど一生懸命な亜弓が自分の気持ちに正直になったとき、どんな決断を下すのか。 読むごとに脳裏に鮮明に広がる夏の景色とともに確かめてみてください。
そんな味です。 終わり方も、もっと知りたい、という気持ちの焦らしがあり、巧妙です! 自分だけが生きてるわけじゃないけど、自分が居て初めて周りに居る人のありがたさも分る、そんな素的な小説です。 お勧めです!