*powder snow ~空に舞う花~*



夕方の駅前は
帰宅途中のサラリーマンや学生で賑やかだった。


「…千雪、」


今のオレに『どうして?』と聞かれても、答えようがない。

どうして千雪の言葉を止めたのか…。


それでも聞きたいと思ったのはオレ自身じゃないか…

って、そんなこと誰より分かってる。





けど……




「…なに?」

「明日も会える??」

「……え?…」

「一週間の約束は守るよ」

「そんなっ」

「その代わり…一週間後、教えて?」

「……」

「全部、教えて?」





もう少し千雪のペースに巻き込まれるのも悪くない。

そんな言い訳が頭に浮かんだ。





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