*powder snow ~空に舞う花~*
カミングアウト…のつもりなのに
「んで?」
驚きもしないで、やけに冷静に大悟が聞くから
「けど…忘れたいんだ」
素直に話すことしかできなかった。
愛しいと思ったのは恋心という名前のものだと気づいたけど、
オレは千雪を受け止められる自信がない。
それに千雪だって、今のオレを幻滅してるだろうし。
だから、きっとオレと千雪はもう会うことはない。
なのに…離れないんだ。
バカだって分かってるけど、人が人を忘れる事がこんなに難しいなんて思わなかったから
どうしたらいいのか分かんねーんだ。
こんなオレに、大悟がなんて言うのか待っていたら………
「お待たせーっ!!」
教室のドアから莉子と遥香が入ってきた。