*powder snow ~空に舞う花~*
また今度、兄貴に聞こう。
『後悔先に立たずってのは間違いだ。
つまり……』
今だに思い出せない兄貴の言葉の続き。
いや、でも
こんな事を聞いたら、またバカにされるに決まってる。
やっぱ…やめとこ。
溶け出したアイスをすくって口に運ぶと、いやみな程の甘さが口いっぱいに広がった。
「…こんな時
どうしたいのかとか、
どうすればいいのかとか
自分でもよく分かんねーんだ」
忘れたいって思う気持ちも嘘じゃない。
けど、気になって仕方ない気持ちがあるのも隠しようがない。
そう言ったオレに対して、大悟はため息をひとつ軽く吐いた後そっとアイスのカップを机に置いた。