*powder snow ~空に舞う花~*
オレをビビらせた音の正体が、千雪がつまづいた所有者不明の自転車が倒れた音だって事だけは、すぐに判明。
とりあえずその自転車を直して、アスファルトで出来た階段に
手をつなぐ事はしないけど
触れられるくらいの近い距離で2人腰を下ろした。
すぐに話はじめたのはオレ。
「…なぁ、千雪。
勝負、しようか?」
「え?なんの??」
いきなり勝負事を持ちかけたオレに、千雪はキョトンとした顔を見せる。
「ゴメンって、先に謝った方が負け」
「なによ、それ」
確かに、何なんだろな。
だけど、きっと謝ることで分かりあえることなんてオレたちの間には存在しないだろ?
「……」
「わかった。
私、負けないからね」
「オレだって負けねーよ」