*powder snow ~空に舞う花~*


こんな質問をしたオレを千雪はまだ見つめ続けてくる。

そして…

「いつまでとか、どこまでとか、時間も月日もどうだっていいじゃない。

要するに…

海斗は負けたくなかっただけでしょ??」



なんの躊躇もなく、そう言った。



「違う!!」

ふざけるな!なんでオレがっ!?



「違う??本当に??


自分より早く岸に上がる人を見るのが怖かっただけじゃない。

自分より高い場所に立つ人を見るのが怖かっただけじゃない。


オレは誰にも負けないって、プライドが崩されるのが怖くて
泳ぐのを諦めただけじゃない」



千雪にオレのなにが分かるんだって思う衝撃と
耳をふさぎたくなる衝動が交差する。




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