*powder snow ~空に舞う花~*
「……あ」
ここの学校のプールは広く感じるけど合同練習っていうだけあって、部員の数は多い。
だけど……
今、第3コースから上がった人…たった一人に私は目を奪われた。
多分…みんなのお目当てもあの人。
茜たちに確認したわけじゃないけれど、
プールサイドに置いてあったタオルで頭を拭いている姿だけでキャーキャーと黄色い声が聞こえてきたから間違いない。
「…ねぇ、佐緒里。あの人って誰?」
「朝日奈海斗!カッコよすぎでヤバ~ぃ!」
「…」
やっぱり、あの人か。
まだ興奮中の佐緒里をほかって(ごめん、佐緒里)私ももう一度海斗へ視線をうつした。