*powder snow ~空に舞う花~*


料金を支払ってバスから降り立つと、冷房のきいていた車内とは違って、夕方なのに一気に汗が噴き出しそうなほどの気温。


「あっ…」


私が来たのは…
中学校。
茜たちが言ってた。海斗はココに通ってるって。

会いたい…そう思ってきたけど


今日は大会日だった。
だから、こんな日に海斗がいるなんて思ってないよ。

きっと、普通な大会終わったらヘトヘトで家に帰るでしょう?



それでも、ココに来た理由はただひとつ…。
私、見たいの。
海斗が見ている世界の、ほんの一部分でもココに来たら分かるんじゃないかって思った。




「これって…不法侵入?」

開いていた正門前に立って、キョロキョロとまわりを見渡した。

ポツポツと、生徒らしき人はいるけれど
教師らしき大人は見当たらない。

他校の生徒って、勝手に入ったらダメなのかな…やっぱり。。





でも………



「…おじゃましまーす?」


とりあえず、ご挨拶。。

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