*powder snow ~空に舞う花~*
少し困ったように言った私を見て、莉子は「そっか」って軽く笑った。
こういうとこも…
大人の対応?っぽい。
「千雪、起きてたのか」
「お父さん!?」
病室の入り口から白衣を着たお父さんが入ってきた。
お父さんはこの病院の内科医。
「体調は?」
「全然、もう平気!」
「ったく、ムチャするなって言ってるだろ!!
周りの助けてくださった方がいなかったら、今頃どうなってたか!!」
「ごめんなさい……」
意識が途切れた私に、周りにいた人たちが救急車を呼んでくれたみたい。
カバンの中から携帯電話を探して、何度も不在着信のあったお父さんに連絡してくれて……
今、無事に病室のベッドの上。