*powder snow ~空に舞う花~*
「莉子、モテそうだね」
「男見る目ないんだよねー、私」
「なにそれ~」
「ホントホント。っていうか、千雪だって絶対モテるくせに」
「私は全然」
「えー。じゃあ、好きな人は?」
「……」
好きな人。
そう言われて脳裏に浮かんだ人は……ただ1人。
「違う学校だし、話したこともないけど…」
「かっこいい!?」
「うん!!スッゴくかっこいい!」
眩しいくらいキラキラしてて…。
「声かければいいのに~!」
「できないよ~」
「じゃあさっ、彼氏が出来たら教えて!私も教えるっ」
莉子がおもむろにカバンの中からピンク色の携帯電話を取り出して、私の枕元にある水色の携帯電話を指差した。
「教えてくれる?」