*powder snow ~空に舞う花~*



「あっ、あのね……。
私は…」

「うん」


うまく、話せないや。



「産まれた時から心臓弱くて…
だから運動とか出来ないし、風邪ひいても苦しいし…。

どこに連絡してるのかとか詳しくはわかんないけど、お父さんが一生懸命外科のお医者さん見つけようとしてくれてて…あの…それでね……」



「そっかー」

うまく説明出来なくって一生懸命話してたのに、莉子からは素っ気ない返事。



やっぱり…こんな事興味もないし、たった1日病室で隣になっただけだもんね。。

もう二度と会う事もないだろうし、関係ないよね。。


なのに……


言うんじゃなかった、
そう思った私に向かって



「でも、治るんでしょ?
大丈夫だって、じゃあそれまで私も付き合ってあげるからっ」



ニッコリ笑ってピースサインをした莉子。



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