*powder snow ~空に舞う花~*


この2人を電話呼んだのはオレ。



「海斗の部屋に来たの、久しぶり」

「そういや、そうだな」

「エロ本隠した?」

「んなもんねぇよ!!」



莉子をこの部屋に呼んだのは別れてから一度もなかったし

こんな風に、ちょっと嬉しそうな顔されると呼んだ理由を言いにくくなる

そんなオレを悔しいくらい察して茶化す大悟。




きっと、このまま何も言わないまま1日楽しく過ごすことは簡単だけど


オレはあいつの涙を
拭えなかった……

ただそれだけのことが、どうしょうもないくらい後悔しそうで




「あのさ…莉子、」

「ん?なに?」



その全てを知るには
莉子にしか、聞くことが出来ない。




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