逢いたい…。【実話】
チリンチリン~鈴の音。


ジャラジャラ~鍵の音。


わざと音を出しているよ

うに感じる。



【TUN…そこにいても

あたし出れないよ…ズキン

待ってても…このドアは

開けられないょ…グスッ】



すぐそこにいるのに…

その温もりを感じる事が

出来ない。



「何してんだよ?」



【ギクッ!!】



パパに玄関にうずくまる

姿を見られた。


「まさか?俺が寝てから

遊びに行く気か?」


《そんな…事はない…》


鈴の音が聞こえないよう

に祈った。


「とっとと寝ろよ!」



ピタッと音がしなく

なった。



もしかして?




今の声が聞こえて帰った

のかもしれない――――





< 230 / 410 >

この作品をシェア

pagetop