逢いたい…。【実話】

変貌

「出てくるからな!電話

入れるから居ろよ?!」


パパが念を押して出かけ

て行った。



ガチャーン!!


カチャン……



重たい鉄の扉が閉まり外

から鍵がかかる。


鍵をかける必要があるの

だろうか??


まるで監禁されているか

のようだ。



【あたし……ビクン

どうなるの…グスン】



[マァマ~は~い~]


チビ太が

絵本を持ってきた。



最近

母らしい事をしてない。


それでもチビ太はあたし

に愛をくれる。



【ズキン…ぁぁ…チビ太】



《チビタ……ぁっ…チビ太

ありがとう…ね…》


声が出る!!


パパの存在がなければ

大丈夫なの??



《むかし…むかし…ある

ところに……》


[ウン~ウンッ~]


チビ太が真ん丸の目をし

て必死にあたしの声に耳

を傾ける。




チビ太から無償の愛を

そそがれる――――




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