明日は君と
取り敢えずその辺歩いてみるかな。
そんなことを思いながら、改札口を出る。
もちろん、ここには来たことが無い。
見知らぬ土地に用もなく来た訳だが、なぜだか胸を占めているのは不安などではなく、高揚感だった。
まだ一ヶ月はある夏休み。
学校が始まるまでには帰るつもりだが、それまでは何が何でも帰らない。
そう決心して家を出て来た。
周りの教師や親に言えば確実に反対されるだろうから、何も告げずに来た。
唯一残してきたのは、置き手紙。
自分でもドラマみたいなことしてるなーとか思いながら、でも私にはこれくらいしか思い付かなかったから。