明日は君と


取り敢えずその辺歩いてみるかな。

そんなことを思いながら、改札口を出る。



もちろん、ここには来たことが無い。

見知らぬ土地に用もなく来た訳だが、なぜだか胸を占めているのは不安などではなく、高揚感だった。


まだ一ヶ月はある夏休み。

学校が始まるまでには帰るつもりだが、それまでは何が何でも帰らない。

そう決心して家を出て来た。


周りの教師や親に言えば確実に反対されるだろうから、何も告げずに来た。

唯一残してきたのは、置き手紙。


自分でもドラマみたいなことしてるなーとか思いながら、でも私にはこれくらいしか思い付かなかったから。


< 3 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop