明日は君と
ふざけたような声を出す茶髪のその人は、あたしの前に来て一言。
「誰?この子」
それにプツンときたようで、黒髪の人が眉間にシワを寄せながら言う。
「だから、お前の投げた球で怪我した子がいるって!」
それを聞くと茶髪の人は手の平を返したように態度を変えて、あたしの前にしゃがみこんだ。
「マジで!?大丈夫っすか!!??ホントすんません!!」
眉が下がり、本当に申し訳なさそうにうなだれてる姿を見るとそれ以上何も言う気になれない。
言うつもりもなかったけど。
「そんで、足捻挫してるみたいだから今から俺んち行って応急処置しようかってとこだったんだよ」
「ははーん、なーるほど。そういうことなら俺、協力するぜ!」
さっきまでの態度はどこにいったんだと言いたくなるくらいキラーンと目を輝かせ、人差し指と親指を立て顎の下に当てる。
「いや、いい」
黒髪の人にバッサリと切り捨てられて、またあたしの前にしゃがみこんでうなだれる。
まるでコントのような目の前のやり取りにあたしは思わず笑ってしまった。
「っふふ、あははは」