明日は君と
「おお、笑った!」
光を失っていた茶髪の人の瞳はあたしが笑ったのを見ると、それを取り戻した。
「すみません。なんか二人のやり取りが面白くって」
そう言うと茶髪の人は首をブンブン振って。
「いや、良いんすよ。笑ってくれて嬉しーくらいです。逆に!!」
何が逆になのか良く分からないけど。
「んじゃ、こんなとこでだらだらしててもしょうがないし行くぞ。乗って」
黒髪の人があたしに背中を見せてしゃがむ。
良く漫画とかで見る光景が目の前に広がっている様子を見てちょっと感動した。
「あ、ありがとう…」
そう返事をして、言われるがまま背中に乗った。
「よし、んじゃ行くぞ。正紀もほら」
正紀と呼ばれた茶髪の人は、その声に反応して歩き出したあたし達の横に来た。