あなたの隣
「分かったから離そうか!汗」
「律大好きー!!」
凜に強く抱きしめられ、息が出来ない。
息…息…っ、
酸素ちょうだいっ…!
あたしがもがいていると、壱ちゃんがあたしと凜を勢いよく引き離した。
「はぁはぁはぁ…。」
「ごめんね律…。苦しかった?」
悪気のない可愛い笑顔。
「う、ううん。大丈夫…」
こーゆー顔されたら何も言えないんだよね…。
ふと壱ちゃんを見ると、あたしの方を見ながらニヤニヤしている。
ん…?
今度は何だよ…。
あたしは深く溜め息をついた。
「ねぇ、凜。」
「何?」
凜は壱ちゃんのほうに歩み寄った。
それから二人は長々とあたしに聞こえないように、小さな声で喋りだした。
はぁ…。
何話してんだか…。
どうせ変な事だろうけどさ(笑)
ふふっと笑い下を見ると、水色のタオルが目に映った。
明日は絶対に返さなきゃ…。
壱ちゃんの言葉を胸に、あたしはそう決めたのだった。