あなたの隣
「ねえ、律?」
「何?」
ゆっくり顔を上げ、壱ちゃんを見ると、真面目な顔で話し始めた。
「あたしはね、律に好きな人ができた事は、すっごく嬉しいよ。だから、上手くいってほしいの」
「うん…」
「あたしは、いつでも律を応援してるから。だから…頑張って!」
壱ちゃんは、いつものようにニカッと笑った。
「ありがとうっ…」
壱ちゃんの優しさに触れ、目頭が熱くなった。
「も~っ!こんくらいで泣かないでよ~」
壱ちゃんは少し照れながら、あたしの頭を叩いた。
「な、泣いてないしっ!」
「泣いてんじゃんっ」
「泣いてないしっ」
「泣いてる!」
「泣いてないってば!」
またお決まりの口喧嘩が始まろうとした時、同じクラスの凜<リン>が割り込んできた。