恋
叶が帰ると、深晴ちゃんは床に崩れ込んだ。
「大丈夫か?ゆっくり呼吸しろ」
「はーはーはー……」
過呼吸に陥りそうな深晴ちゃんの背中を擦る仁志を見ながら、さっきの叶の態度を思い出していた。
叶は、深晴ちゃんがすきなんじゃ?
でも、さっき深晴ちゃんを責めるような言い方…。
まるで、叶の母親が一人でご飯を食べなきゃならなくなったのは深晴のせいだと言ってるようだった。
「…大丈夫、もう平気。」
「よかった、少し部屋でよこになってろ」
「うん……」
仁志に促されて、深晴ちゃんは部屋に戻った。
「大丈夫なのか?」
「精神的なものらしい、ほら、英が死んでからいろいろあったから」
「そうなんだ」
深晴ちゃんは、なにに対して申し訳なさそうな顔をしてるのだろうか。