その時に電話していたのは深晴ちゃんで
喧嘩の事を謝っていたらしかった。

スピードを出しすぎていたのは
深晴ちゃんが早く会いたい的な事を言ったらしいからだった。

……………
…………………。


「深晴は自分が電話しなきゃ、早く会いたいなんて言わなきゃ事故になんて会わなかった……て言ってるんだあいつ」

「でもそれは深晴ちゃんのせいじゃないだろ」

「それでも、責任感じてるんだよ」

二人して優しすぎるんだ。

そんなんじゃ心がもたないだろうに……


「で叶の話に戻るけど、あいつが深晴を責めるのは、責めることで深晴が英を忘れないようにするためなんだ」

「なんだそれ、深晴ちゃんが辛いのしってるのに?」

「ああ、深晴もそうだけど、叶も怖いんだろうな…」

「なにが?」

「英を忘れること。英の母親は前向いてて笑ってるけど、叶はそれが嫌だったのかも」

「どうして?誰も忘れてる訳じゃないのに」


< 27 / 31 >

この作品をシェア

pagetop