仁志が、中庭に着き、彼女を呼ぶと彼女は静かに笑った。


毎日、俺はこの光景を見てる。


「あいつの前では笑うんだ…」


もちろん、友達は沢山いるんだろうけど、男と話したところはあまり見ない。



しばらく、兄妹の会話をする様子をみていたら、仁志がこちらになにか言っていた。



「お前降りてこいよ」


「は?」


「いーから早くしろ」


仁志は俺に中庭に来るよう言った。


んだよ、さっきはまた今度とか言ってたくせに。


とか言いつつ、内心彼女と正面をみて話せることが嬉しくてたまらなかった。



急いで中庭に向かってる途中、何人かの女子に声をかけられたけど、そんなの耳に入ってこなかった。



< 5 / 31 >

この作品をシェア

pagetop