生涯愛した人へ
5階に祐希の家があった。
表札には、
“阪田”と書かれている。
「入って。」
ドアが開かれ、祐希が私の背中を押した。
「とりあえず俺の部屋行っといて。
何か飲みもん持ってくから。」
「うん。」
私は祐希と名前の入ったプレートが掛かった部屋の扉を開けた。
「うわぁ。
キレイ……」
中は黒で統一され少し白の雑貨が置いてあるという、非常にシンプルな部屋だった。
やっぱ祐希らしいな…。
とりあえず座っとくか。
周りに椅子が無かったから私はベッドに腰かけた。
その時祐希が部屋に入ってきた。