生涯愛した人へ
またドアが開かれたかと思うと、今度は警察が入ってきた……。
「こんな時にスイマセン…。
引いた男なんですが、
飲酒運転
および
スピード違犯でした。
急ブレーキをかけたがスピードをかなり出していたようで止まれなかった…ということです。」
おじさんおばさんが警察とごちゃごちゃ話していたけど俺は気にせず、ただ美空の意識が戻ることを祈っていた。
美空の手をギュッと握り、もう片方の手で美空の頬や頭を撫でながら話しかけた。
「美空……
俺のせいでゴメンな…っ
みんな…っお前の帰り、まってるから…!
早く目覚ましてまたいつものように笑顔で俺らを癒してくれよ……っ(泣)」
ポタッ
何粒もの涙が美空の頬を濡らしていく……。
とその時……
ギュッ………
微かにだが、
美空が手を握り返してきた!
「美空?!
分かるのか?!
おい!美空!
目開けろよ!!」
その声でおじさんおばさんもめぐたちも、みんなが美空に注目した。
その瞬間、
美空が少しずつ目を開けた。
「美空!」
「ゆ………うき……
笑……………って……。
お願……い………だか……ら、笑っ………て……幸せ……………に………なっ………て?」
途切れ途切れだったけど俺にはハッキリ聞こえた。
そして俺は………
笑った………
ムリにじゃなく自然に………
そして美空も、
いつもの笑顔で俺に笑いかけた。
「美空……っ」