生涯愛した人へ




「もう!
何かしんみりしちゃったじゃん。

あっそーだ!
iPod持ってきてたんだ。」



「何でんなもん持ってきてんだよ……」



それはね祐希……
あなたに大事な事を伝えたいから…。


私と同じキモチを持ってほしいから…。



「祐希に聞いてもらいたい曲があるからだよ。」



「何の曲?」



「西野カナの"このままで"って曲☆」




そう言って私はイヤホンの片方を祐希に渡した。

祐希は寝転がったままイヤホンを耳に入れた。



「かけてい?」




祐希からの返事が返ってきたのを見て私は再生ボタンを押した。





"このままで時が止まるなら2人で見つめていたい。
この景色100年先もずっと永遠に変わらないように………"




「たしかにいい曲だな★」



「でしょ♪

でもこの曲は"別れ"の曲なんだ。
突然事故とかで昨日まで隣で笑っていたはずの大切な人が死んでしまう。

そしたら彼女が1番に想うこと……

それは"もう一度だけ会いたい"っていうキモチなんだよ。

男が思ってるほど女は強くない。
大切な人が隣で笑ってくれなくなるだけで傷つく弱い生き物なんだよ?

でもだからって
後悔してからじゃ遅いの。
"別れよ"っていう言葉は責任のある言葉。
その言葉を簡単に言える相手はホントの相手じゃないんだよ。

祐希……
あなたも後悔だけはしないで!
必ず一言一言の言葉の重さを知ってほしいの。」



「そっか。
たしかに簡単に言える相手は違う相手だよな……。

俺も彼女ができたらしっかり考えながら行動するよ。」



「うん!」




私ね……
祐希に隠してる過去がある。


でもいつかあなたになら言える気がするんだ!


私……
あなたの事




心から許せる唯一の男だよ………




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