空悟~大切な君~
「俺は後悔なんてしてないよ。この一週間をやり直せて、最後に家族旅行が出来て本当に嬉しい。だから、悔いも残さないであの世に行ける」
「本気か?」
「ああ。俺は空悟の兄貴でよかった」
「……」
父さんがそれ以上何も言わなかったから、俺も何も言わずただ海を眺めた。
父さんはやっぱり反対なんだろう。それもそうか。突然息子が死ぬなんて言うんだから。
けどもう後に戻る事は出来ない。俺は空悟を助ける為に、魂を差し出すんだ。
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