空悟~大切な君~
「ったく…」
そして俺達はその場に座り、休憩を取った。
「で?あとどれくらい?」
水筒のコップにお茶を注ぎ父さんに渡す。
「そうだな…。あと三十分ほどじゃないか?」
「そう。空悟、あと少しだから頑張れるよな」
言いながら隣を見ると、そこに空悟はいなかった。
「空悟?」
さっきまでここでお茶を飲んでいたのに、いつの間に?
「空悟!空悟ー!」
前方と後方を探すが、どこにもいない。
「父さん!」
「まさか、落ちたんじゃないだろうな…」
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