空悟~大切な君~
三十分ほど、俺達はただ空悟を見付ける為に川上を歩いた。
そして、精神的にも体力的にも疲れ果てた時、今まで木に囲まれていた視界が突然晴れ開けた場所に出た。
そこは広大な草原のような場所で、一本の大きな木が立っていた。
「ここは…」
父さんがその風景に見とれていた時、俺も唐突に見付け声を上げた。
「空悟!!」
「兄ちゃん!」
空悟は俺達の気持ちなんか知らず、蝶を追いかけ遊んでいた。俺は空悟に駆け寄り、空悟の肩を掴んだ。
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