空悟~大切な君~
何だかぼんやりとした感じ。それに、不安と恐怖が一気に高まっていく。
と、侍が、
「一瞬で終わる。痛みも何も無く、すぐにあの世に行けるでござるよ。この鬼刀で海斗殿の魂を斬れば…」
そして侍は音も立てずに腰に差していた刀を鞘から抜いた。
いよいよその時が来る。
俺は何も言わず、静かに目を閉じた。最後に俺は心の中で呟いた。
空悟、今まで兄貴らしい事してやれなくてごめんな。だから、最後に俺に兄貴らしい事をさせてくれ。
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